こんにちは、KL-WINGの原田です。
マレーシアで働くためにはいくつかの方法がありますが、多くの人が最初に検討するのが現地採用ではないでしょうか。
マレーシアの現地採用は、求人の数も多く、待遇も悪くないため海外就職が初めての人にもオススメできるのですが、「そもそも現地採用とは何なのか?どんな特徴があるのか?」しっかりと知っておくことが大切です。
本記事では、マレーシアの現地採用についての基本情報をまとめつつ、駐在員や近隣の東南アジアの現地採用との違いについても解説していきます。
現地採用とは?
現地採用とは文字通り、マレーシアの現地企業と直接雇用契約を結ぶ雇用形態です。
現地採用のメリット
応募ハードルが低い
現地採用は求人の数も多いため、自身の適性やスキルに合う求人を見つけることができれば応募のハードルは低めです。
最低限の語学力や適応力は求められますが、日本での就職とそれほど大きな差はなく、誰でもチャレンジすることができます。
自由度が高い
現地採用は行きたい国、求人、働く時期、住居などを自身で選べるため、比較的自由度が高めです。
後述する駐在員採用は会社からの辞令に従う必要がありますが、多くの選択肢の決定権が自身にあるのは大きなメリットでしょう。
現地採用のデメリット
待遇は現地水準となる
東南アジア全般で日本人の現地採用は比較的良い待遇を得られるものも多いですが、基本的には、給料・待遇・生活水準は現地に即したものになります。
東南アジアは日本よりも物価が安い傾向にありますが、その分給料が日本よりも低く、社会全体のインフラも日本ほど便利ではないことも多々あります。
全て自分で行う必要がある
メリットで「自由度が高い」とお伝えしましたが、裏を返せば全てのことを自分自身で行う必要があるということです。
就職活動、現地の住宅探し、各種インフラの手続きなど、海外就職が初めての人は戸惑うことも多いはずです。
現地採用と駐在員の比較
マレーシアで働くための別の方法として、駐在員があります。
駐在員とは、所属は日本企業のままで勤務地が海外になる形態です。
マレーシアの現地採用と駐在員を比較すると、企業によっても異なりますが下記のような傾向にあります。
現地採用 | 駐在員 | |
所属 | 希望する国の企業 | 日本企業 |
給料 | 現地水準 6,000RM〜10,000RM(18〜30万円) | 日本水準 額面、手取りが大幅に増加(1.5〜1.8倍) |
福利厚生 | 各種保険、各会社の福利厚生 | 海外勤務手当、住宅手当、その他手当、各種保険など |
応募ハードル | 低い | 高い |
就労期間 | 特に無し | 5年前後 |
駐在員は現地採用ほどの自由度はありませんが、給料や福利厚生が非常に手厚く、最終的な待遇は日本の時よりも高くなることもあります。
東南アジアの物価は日本よりも安い傾向にあるため、かなり余裕のある生活ができるでしょう。
しかし、駐在員になるためのハードルは高く、必ず選ばれるというわけでもないため、マレーシア勤務を最優先にするのであれば現地採用を優先的に検討して良いでしょう。
近隣の東南アジアとの比較
マレーシア勤務を検討している人は、近隣の東南アジアも候補国としている人も多いでしょう。
候補となる国は、タイ、シンガポール、フィリピン、インドネシアなどが多いと思われますが、それぞれの現地採用は下記の様な傾向にあります。
※雇用形態、求人、時期によっても異なります
マレーシア | タイ | シンガポール | フィリピン | インドネシア | |
主要求人 | ・BPOカスタマーサポート・各業界の営業職 | ・製造業の営業職・IT業の技術職 | ・金融業界の営業職・各業界の経理、会計職 | ・製造業の営業職・語学学校スタッフ | ・製造業の営業職・IT業の技術職 |
給料(日本円換算) | 17万〜30万 | 17万〜30万 | 25万〜50万 | 11万〜25万 | 15万〜30万 |
就労ビザ取得難度 | 普通 | 低い | やや高い | 低い | やや高い |
主要求人
マレーシアのBPOのカスタマーサポート、フィリピンの語学学校スタッフなど、国によって多少傾向は異なりますが、製造業の営業職などはどの国でも多くなっております。
また、求人の多くは現場社員向けですが、マネジメント系の求人も一定数存在します。
給料(日本円換算)
給料はその国の物価によって異なります。
日本円で換算するとどの国も近い水準に落ち着くと思いますが、シンガポールは他国よりも物価が高いため、その分給料は多くなる傾向にあります。
各種手当やインセンティブによっても給料は変動しますが、どの国でも必要以上の贅沢をしなければ問題なく生活できるでしょう。
参考:マレーシア現地採用の年収はどれくらい?年収が決まる要因と職能別相場を解説
就労ビザ取得難度
現地採用として働くためには、就労ビザが必須となります。
各国の就労ビザにも様々な種類がありますが、タイとフィリピンは比較的取得しやすく、シンガポールとインドネシアはやや取得要件が厳しくなっております。
マレーシアのビザの取得難度は標準的ですが、数が多いBPO求人はビザの発給優遇を受けているため取得難度は下がります。
就労ビザにも様々な種類がありますので、自分の今までの経験と照らし合わせて選んでいきましょう。
参考:【2023年最新】マレーシア移住に必要な主要ビザ(VISA)の一覧と申請・取得までの流れを解説
マレーシアの現地採用の求人
マレーシアには様々な国の企業の求人があり、やや外資系求人が多い傾向にありますが、日系求人も同じくらいあります。
マレーシアの求人で多いのが、BPO企業のカスタマーサポート求人です。
BPOとはBusiness Process Outsourcingの略で、企業の業務プロセスの一部を外注する業務形態です。
世界的なSNS企業、EC企業、フードデリバリー企業などの多くがBPOを活用しており、マレーシアはこのBPO企業がとても多いのです。BPO求人は未経験でもチャレンジできるものも多く、語学力があればより高待遇も狙えます。
カスタマーサポート求人例
・業務内容:電話、チャット、メールでお客様対応
・給料:6,000RM〜10,000RM(日本円換算18万円〜30万円)
・スキル、ポジション、手当などで変動)
・英語力:日常会話〜ビジネスレベル
・勤務地:クアラルンプール中心部
カスタマーサポート以外では、各業界の営業職などが多くなっています。
基本的には一般社員の求人が多めですが、マネジメント社員の求人も一定数出てきますので、日本での経験を生かせる求人があればチャンレンジしてみるのも良いと思います。
参考:マレーシア現地採用の年収はどれくらい?年収が決まる要因と職能別相場を解説
現地採用に必要なスキル
現地採用として働くためには、下記の3つが重要になります。
・異文化環境への適応力
・特定の領域の実務経験
・問題なく意思疎通ができる語学力
異文化環境への適応力
現地採用として働く人は、初めて海外就職をする人も多いでしょう。
海外就職は様々なバックボーンの人と共に働くことになるため、日本の常識が通じないことも多々あります。そのような環境で働いていくためには、異文化を理解し適応していくことが必要です。
日本で培ってきたものを捨てる必要は全く無く、異文化のエッセンスを取り入れていくことが重要です。
特定の領域の実務経験
日本の転職と同様で、特定の領域の実務経験は必要です。
マレーシアはBPOなど業務未経験者にもオープンな求人も多いですが、実務経験がある方がより良い条件で働くことができます。
転職=即戦力人材の採用なので、企業も相応のスキルと経験の人材を期待しており、期待できるパフォーマンスを発揮するには経験は重要です。
問題なく意思疎通ができる語学力
求められる語学力は求人によって異なりますが、どの求人でも問題なく意思疎通ができるレベルの語学力は求められます。
具体的には、相手の意図をしっかりと理解し、自分の意見を過不足無く伝えることができる程度は必要です。マレーシアには語学力不問の求人も一定数ありますが、業務中は日本語であったとしても、入社手続き、オンボーディング、社内コミュニケーションは英語が必要です。
現地採用のキャリアプラン
海外で働くとなるとキャリアプランですが、現地採用で働く人の例をいくつか紹介いたします。
Q:現地採用の人はどのようなキャリアプランを描いて働いているのか?
▪️英語力がない場合
・英語力を鍛えて英語を多用できる仕事に就く(同じ会社での異動や転職により)
▪️英語力がある場合
・同じ業界内の管理職
・BPO企業から一般企業へ転職
・アメリカ、ヨーロッパ、シンガポールなど別の英語圏へ転職
Q:その次にどのようなキャリアを歩むことがあり得るのか?
▪️BPO起業からの場合
・英語力が求められる仕事へ社内異動
・社内またはBPO業界の管理職へ昇進
・英語力を付けて一般企業へ転職(英語力を付けたことで当初応募できなかった求人へ応募可能に)
▪️一般企業の場合
・現地採用から駐在待遇へ
・国内外の同業界内で転職して待遇面アップ
・経験を活かせる異業種
内定獲得のために必要なこと
内定を獲得するためには下記が重要になります。
・マレーシアで働く理由を明確にする
・履歴書、職務経歴書を作り込む
・英語面接に慣れておく
特に重要になるのが、マレーシアで働く理由です。
マレーシアで働く理由が、その後の書類選考や面接の軸、そして今後のキャリアに関連してくるからです。
マレーシアに移住した後に「こんなはずではなかった・・」と後悔しないためにも、しっかりと自己分析を行ってから、選考対策を進めましょう。
参考:マレーシアで働くためには?仕事の探し方・応募・必要な手続きまで徹底解説
参考:マレーシア転職でエージェントを使わないリスクとは?自己応募と徹底比較
マレーシアで働いてみよう
本記事では、マレーシアの現地採用の概要、駐在員や他国との比較、必要なスキルなどを解説してきました。
マレーシアの現地採用は、ビザも比較的取得しやすい、待遇の良い求人も多い、必ずしも高い語学力を求められるわけではない、といったように、初めて海外就職をする人にもチャレンジしやすい環境が整っています。
しかし、初めて海外就職をする人は不安なことも多いですよね。
弊社、KL-WINGはこれまで多くのマレーシア転職希望の日本人をサポートしてきた実績がありますので、お気軽にご相談ください。